4Qに失速した理由とは...
各選手そしてアリーナの観客の心情の変化
4Q 残り5:29 にカイリーアービングがクレイトンプソン相手にカウントワンスローを決めるまで,世界中の誰もキャブスが負けるとは思いもしなかっただろう
しかし 残り45秒にKDが逆転の3Pを決めてからは空気が一変した
今回は会場が何故そのような雰囲気になってしまったかを3つの言葉を用いて説明しようと思う
達成感 この試合で積み重ねた展開に対する感情(リード)
充足感 現在進行形のその時その時の感情(得点 守備)
満足感 試合前から目標に対する結果への感情(勝利)
逆転されたのはこれらの感情をキャブスのメンバーが上手くコントロール出来なかったからだろう
2017NBAファイナル あの日見たカイリーアービングの怒った顔を僕はまだ知らない
で述べたように意図的に攻撃の波を作り出していくのがGSWの戦術なのだが,恐らくGSWは上記3つの感情を上手にコントロールしていると考えられる だからこそ今日のような逆転劇が生まれたのではないだろうか
逆にキャブスは4Q残り約一分に
GSWに2点リードしている達成感
プラン通りに進んでいるという充足感
この時は試合に勝てているという満足感
この3つに観客と共に既に満足してしまった これこそが逆転を許してしまった要因になってしまったのだと思う
残り1:15でのキャブスのタイムアウト時にカリーがキャブスのメンバーをうかがう様子を見ると,まだGSWは試合のブザーが鳴るまでは試合を諦めていなかったのが分かる筈だ
そしてGSWは試合終了と同時に充足感と満足感 残り12秒でフリースローを貰った時点で達成感を得ていただろう
マネーボールという映画がある
野球を統計的に分析するというブラッドピット主演の映画だが
バスケットボールを科学的に見た時にGSWにも当時のアスレチックスのような試合へのアプローチが見られるというのは自分だけなのだろうか
GSWのメンバーで試合に勝つためには
1 カリー クレイを活かす戦術
2 その為にルールギリギリでスクリーンを掛けるザザ デビ西が必要
3 それだけでは展開が行き詰まるので走り周る事によりディフェンスを錯乱
4 常に速攻を意識する事により付け入る隙を与えない
5 相手が慣れてくると高確率でシュートを決めるベンチメンバーを投入
6 残り2~3分で連続得点を作り出す
7 それらの攻撃の時間配分のコントロール
これを各Q繰り返す それだけでGSWはこの3年間快進撃を続けているのである
だが与えられた戦術だけでここまで圧倒的なパフォーマンスを見せる事が出来るだろうか?
答えはNOだ
チーム全体に勝った後の感情だけでなく
例えば
何故リードする必要があるのか そしてリードした時の感情 その為にすべき各個人の行動 達成した時の感情 ディフェンスを成功する為の行動 抑えた時の感情 次にすべき行動 その理由をチームとして統一し,それらを刷り込みつづける必要がある
といったように 他のチームのように漠然とせず プレーの動機を微分化し遂行させ満足感を与える事により試合に勝ち続けているのである
そして無意識のうちに達成,充足,満足といった感情を得るという結果をもたらしていたのだろう
(別の見方をすれば,各選手が欠けるような事が,特にザザデビ西がいなくなるような事態になった時にGSWは崩れ始めるのだが)
それは脳科学であり そして各Qの攻撃の時間配分を決め事にしているように見られるのも12分間と限られた時間に対する科学的アプローチの一つなのだ
サンアントニオはその事に気付いているからこそWCF GAME1の終盤までリードしていたのかも知れない
今日の試合に限ってはキャブスはファールトラブルに陥れる事によって接戦を演じていた
作戦としては上々なのだが,試合が終わる前に満足してしまっては逆転を許しても仕方が無い事だと思う
そしてそれはベンチメンバーのFGにも表れている
彼らの活躍が無ければキャブスの勝利は遠のいて行くばかりだ
今日の負けをどう見ているのか
もう敵わないと感じているのかそれとも不甲斐なく感じているのか
全ては土曜日にハッキリする