それでも僕らはNBAに恋をする
長いシーズンが終わりチャンピオンチームがラリーオブライエントロフィーを頭上に掲げる時,毎年頭の中でこのフレーズが思い浮かぶ
またshowが始まる苦しい程の
またshowが始まる 眠れる程に...
ファイナルでクリーブランドキャバリアーズを応援していた方はゴールデンステイトウォリアーズがGAME5を制した時 ある種の失恋に似た感情を得たのではないだろうか
例えば
クラスのマドンナがイケメンと付き合いだしたり
美人の同僚が入籍を発表したり
アイドルの熱愛がスクープされたり...
逆にゴールデンステイトウォリアーズのファンは片思いが成就したような高揚感に身を包まれたと思う
例えば
応援する思いにチームが応えてくれた
昨年の雪辱を果たしてくれた
などなど...
それらの感情を一言で表すと恋なんだと思う
応援するチームが勝つと嬉しくなり
負けると悔しくなる
怪我やトレードの噂を聞くと不安になり心配する
試合が待ち遠しくもなるし
来年はどんなチームになるんだろうと期待に胸躍らせたりもする
それは恐らく選手達に永遠に届かないであろう悲しい片思いであり,応援するチームが勝つ事でしか成就しない辛い疑似恋愛関係なんだと思う
このファイナルで浮き彫りになったチームの差とは
初めにチーム戦術数の違いと
続いてチーム戦力の差
そしてチームの統率感
の3つになる
その要素はこれからのNBAのチームの主軸になっていくかもしれない
これは1990年代後半からサンアントニオスパーズが重きを置いていた価値観であって,それでも度々起こるNBAのスーパースターが集うBIG3といわれるスター集団との激しい激突によりその都度僕らに感激と感動を与えたくれた
これからもそのようなやりとりは続いていくだろうし果たしてどちらが試合を観てより満足感を得られるかは永遠に議論されていくのかも知れない
ただ今回は結果としてクリーブランドキャバリアーズが敗れてしまった
それは紛れもない事実でありキャブスは今のNBAの流れに対応していくしかなくなってしまった
どういう事かというと,チームを解体するという課題に向き合う必要性が浮上してきたという事だ
もしチャンピオンチームに返り咲きたいのであれば
一度コーチ陣を一掃してGSWのようなチームに対抗できる新たなシステムを構築する
個人ではなくチームとして活躍出来る選手を獲得する
チームを一つにして目標に進んでいく態勢を整える
とありきたりな事を書き綴ったが
何故そうしなければいけないかというと
既に他のチーム
特にボストンセルティックスは今回のファイナルを観てキャブスの弱点を攻める攻略を作り始めた可能性が高いからだ そして彼らはキャブスを倒すだけの戦力を整え戦術を増やしていく準備もしているだろう
キャブスがFAになったクリスポールを獲得するか
それともトレードの噂が絶えないカーメロアンソニーを招き入れるかは分からないが
今こうしている間にも既に2018年NBAシーズンはゴールデンステイトウォリアーズがNBAチャンピオンになった瞬間に始まっているのだ
このような展開に想い馳せて,これから起きる出来ごとに胸を弾ませるなら
きっとそれは数々のドラマを毎年僕らに見せててくれるNBAというショ―ビジネスに対する恋愛感情に近いモノを感じているからではないだろうか
性悪女に愛想を尽かしてもなかなか懲りずにまた騙されてしまうような感覚を持っていて,また来シーズンもNBAを観戦するなら貴方も僕もきっとNBAに永遠に満たされる事のない恋をしているのだろう
一度王朝を築いたチームは必ず自ら崩壊するか 新しい勢力にその王座を奪われるまでチャンピオンの地位を護り続けなければならない
どうやって彼らを倒すチームが現れるのか,また作り出すのかを見守るのが来シーズンの見所だろう
結果に期待して落ち込んでもNBAを観戦してしまう
NBAにはそうさせてしまう程の魅力があって
これからも僕らはその不思議な魅力に魅せ続けられていくのだろう
恋なんて出来すぎたshowみたい 筋書き通りの憧れだけの騙し合いだよ
シナリオ読み終えたならトキメキさえ消えて
次の幕に夢を馳せて思い巡れば...
just be gun またshowが始まる...